オストメイトで笑って生きる



社会復帰 私の退院直後 退院半年後 装具について 工夫と対応 余談
 

  余談

オストメイトと言っても、イロイロなオストメイトがいる。
そうでなければおかしい筈で、十把一絡げでひとくくりに【オストメイト】と呼んでいる日本社会の単細胞さが当事者になった私には我慢が出来ない。
私は自営の商売でもそんな立場で30年近く銀座の1階で店を続けておりますが、別に私が正しいという意味でこれを書いたわけでもない。
こんなオストメイトもいるんだよ、自由に自分なりに生きて良いんだよ、そういう意味でこのホームページを作りました。

社会が高齢化したせいで、身体のあちこちにガタがきても、医学の進歩でなんとか生き延びてしまう。私の店の傍でフレンチのレストランを自営してる同世代のオーナーソムリエは、 オストメイトになって30年近くになるベテランです。むかしは医学も遅れてて、3度も開腹手術をやっていて、文字通りのオストメイトのモルモットだったようです。それでも元気に自営をやっている。
退院して、オストメイトだと広言して生きて居ると、多くのおなじオストメイトが遊びに来るようになり、そこであまりの知識の無さに愕然とする、そんなことも多いです。
オストメイトは放屁が制御できないということも広言して生きて居ると、良いのか悪いのか、この頃はまわりの人間も平気で私の前で放屁をするようになった。
本人だけでなく家族の方々も知識がまるでなく、遅れてる医者やWOCの言うがままに、孤立して生きるような辛い日々を送ってる高齢者も多い。
・・・好きな温泉に入りたい・・・昔のように山や海で遊びたい・・・愛する人と愛し合いたい・・・そのぜんぶを現実にやってる私の話を聞かれると、皆さん驚いて開いた口が締まらない。
我が国には20万人くらいのオストメイトが居て、大腸癌などの対処として人工肛門を造設する方法が普通になりつつあるというのに、退院してからの情報がまるでない。キチンと身体に合うパウチを見つければ、 漏れたり剥がれたり臭ったりもナニも心配はいらないのですが、病院やWOCの多くは、退院して以降のことは自己責任、そんなことが多いようです。
オストメイトトイレだって便座の狭いものばかりだったのは、単なる箱モノ作りで満足してる行政の悪しき習慣で、私などはあちこちで文句を言っていましたが、最近やっと便座の大きなものが登場した。 山では野糞が普通だったので、私に関しては和便でも問題はないし、逆に登山仕様の身体になったと笑ってますが、そんな形だけの箱モノで喜んでるオストメイトが惨めったらしくて腹立たしかった。
去年、私の父親が90歳で大腸癌が見つかり、人工肛門にすれば良いと田舎の仲の良い市民病院の外科部長に言われたと、電話してきたことがありました。
すぐに新幹線に飛び乗って、話し合いに行きましたが・・・90歳で、十分に生きて来た爺様に、オストメイトの生活が出来るのかどうか? 外科医は切って取ってくっ付ければ良いが、 本人は死ぬまでこの作業を続けなければいけない。ケア・サービスの酷い現状も話した。しかも90歳だと癌の進行だってあるかないかだろう? 鶴の一声で中止になり、1年後の先日精密検査をしたら、 ナニも変化はなく、自覚症状もなく・・・あんたの言う通りにして良かった・・・たまたまかも知れないですが、身内も高齢者の人工肛門手術は、よく考えるべきです。
ただただ長生きすれば良い? 医学もそれだけの為に進んでる? 長生きも、いつも笑って生きて居るからこそ楽しいのであって、苦痛だけになってしまえばこれは残酷なことでしょう。
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